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国債とは(債券の種類)
国債とは、一言でいうと「国の借金」のことです。
すなわち国債を買うということは、「国にお金を貸している」ということになります。国の財政が破綻しない限り、貸したお金は返ってきます。その時に利息が付くイメージです。
日本は政情が不安定な新興国ではありませんので、まず財政が完全に破綻することはないと考えられています。
仮に、国の財政が破綻するような状況に陥ったら、それ以前に銀行のほとんどがすでに倒産していると状態だと想像できます。
そのため、銀行に預けるよりも安全ともいえます。
以上の理由で、国債は金融商品の中でも安全性が高い「安全資産」といわれています。
国債は債券の種類の中では、「公共債」に区分されます。
ここで一つ債券の種類について確認します。
債券の種類には主に、①公共債や②民間債、③外国債等があります。
①の公共債の中には、国債(国が発行する債券で個人向け国債等)や地方債(都道府県等の地方自治体が発行する債券)、政府関係機関債(独立行政法人等の政府関係機関が発行する債券)があります。
また、②の民間債の中には、社債(民間の企業が運転資金を調達するために発行する債券)や金融債(特定の金融機関が発行する債券)があります。
一般的に②の民間債は①の公共債と比較して信用力は低いため、利率は高く設定されています(①の公共債は②の民間債よりも安全性は高いです)。
③の外国債等の中には、外国や外国の公的機関、外国の民間企業が発行する債券があります。これらは、発行体によって信用力は異なるため、利率も様々に設定されています。
一般的に、国内債券よりも金利は高い傾向にありますが、為替変動もあるためリスクは高いといわれています。
以上が主な債券の種類ですが、その中でも特に安全性が高くおすすめの「個人向け国債」についてこれから具体的にご案内します。
①⇒②⇒③の順でリスクは高くなります。
- 公共債(国債、地方債、政府関係機関債)
- 民間債(社債、金融債)
- 外国債等
個人向け国債(3種類)の比較
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個人向け国債の3種類の特徴を表にまとめました。それぞれの特徴について以下のとおりです。ご覧下さい。
商品名 | 固定3年 | 固定5年 | 変動10年 |
満期 | 3年 | 5年 | 10年 |
金利種類 | 固定金利 | 固定金利 | 変動金利 |
最低年率 | 年率0.05(金利の下限が保証されている) | ||
発行月 | 毎月 | ||
発行場所 | 証券会社、銀行、信託銀行、ゆうちょ銀行、信用金庫、農協等 | ||
購入単位 | 最低1万円から1万円単位で購入可能 | ||
償還金額 | 額面金額と同じ | ||
利息の受け取り | 半年ごとに年2回 | ||
中途換金 | 発行後1年以上経過すればいつでも可能(ただし、直前2回分の利息(税引前)相当額✖0.79685が差し引かれる)、元本割れはしない |
参考 個人向け国債商品概要財務省
個人向け国債のおすすめ理由(メリット)
個人向け国債がおすすめの理由(メリット)ですが、以下の5点が挙げられます。
① 少額から投資が可能です。
最低1万円から購入できます(購入時や売却時に手数料はかかりません)。
② 運用期間や金利のタイプを選ぶことができます。
償還期間・満期が「3年」、「5年」、「10年」の3種類があります。「3年」、「5年」は固定金利、「10年」は変動金利です。
③ 1年経過後から換金が可能です。
発行後1年経過後から1万円単位で中途換金できます。そのため流動性も比較的確保されていると言えます。
この3種類の中でも超低金利の現在(31年7月14日現在)において、金利上昇リスクに対応できる「10年」がおすすめだと思います。
④ 個人向け国債は、元本割れすることはありません。
⑤ 金利は3種類ともに、最低年率0.05%が保証されています。
⑥ 金利は、銀行金利(普通預金、定期預金等)より高いです。
参考程度に、都市銀行の一つである三井住友銀行の円預金金利(令和元年8月26日現在)を掲載します。以下全て年利です。
参考 円預金金利三井住友銀行
預入期間 | 金利 | |
---|---|---|
普通預金 | 0.001% | |
貯蓄預金 | 0.001% | |
新型通知預金(50万円以上、300万円以上、1,000万円以上) | 0.001% | |
スーパー定期(300万円未満、300万円以上)、大口定期(1,000万円以上) | 6か月 | 0.010% |
3年 | 0.010% | |
7年 | 0.010% | |
10年 | 0.010% |
※スーパー定期、大口定期については一部抜粋です。スーパー定期、大口定期ともに全て同じ金利(年利)です。
以上からも、銀行に預金するよりも高い利率で運用できることがわかります。
- 少額から投資が可能。
- 運用期間や金利の種類を選択できる。
- 1年経過後から換金可能。
- 元本割れすることはない。
- 金利は、最低年率0.05%が保証されている。
- 銀行預金(円)よりも金利は高い。
また、個人向け国債の発行日は毎月、発行場所は、証券会社や銀行、信託銀行、信用金庫、信用組合、農協等です。ネット証券等でも購入することができます。
利息の受取は、半年ごとに年2回受け取ることができます。
利払日は、原則毎年の発行月及び発行月の半年後の15日です(一部例外はあります)。
参考 個人向け国債財務省
個人向け国債のデメリット
ここまで、個人向け国債のおすすめ理由や特徴等をご説明しましたが、個人向け国債にもデメリットはあります。
それは、安全性が高い分、株式投資等と比較して得られる利益(リターン)は少ないと言えます(銀行金利よりは高いですが)。
また、原則、購入後1年以上経過しなければ中途換金できず、中途換金すると受け取り利息は減ってしまいます。
- 安全性が高い分、リターンは少ない。
- 中途換金禁止期間中に中途換金すると受け取り利息は減る。
ただし、中途換金禁止期間中に以下に該当した場合は中途換金が可能です。
- 保有者が亡くなった場合(相続人の地位を証明する書類が必要です。)
- 大規模災害によって被害を受けた場合(災害で被害にあったことを証明する書類が必要です。)
まとめ
今回は主に「個人向け国債」について説明しました。個人向け国債は安心して購入することができ、安全性が高いからこそリスク管理の手間がほとんどかかりません。
また、国にお金を貸すため、見方を変えれば投資をとおして社会(国)に貢献できるとも言えます。
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