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自然災害による支援制度は、いくつかの種類があります。
例えば、災害により住宅等が被害を受けた場合には、「被災者生活再建支援制度」という支援制度があります。
また、災害により日常生活を送ることが困難な障害を負った場合には、「災害障害見舞金」、さらに、災害によりご家族を亡くされた方達には、「災害弔慰金」という制度があります。
それでは、最初に「被災者生活再建支援制度」についてご説明します。
目次
被災者生活再建支援制度について
被災者生活再建支援制度は、被災者生活再建支援法という法律に基づく制度で、この制度が適用されるかどうかは、自然災害による被害の大きさで決まり、決定した際には都道府県からお知らせがあります。
対象となる自然災害
対象となる災害は、地震や津波、豪雨、洪水、暴風、豪雪、高潮、噴火などの一定規模以上の自然災害です。
対象となるの被災者
対象となる方達については、自然災害によって10世帯以上の住宅が全壊被害等に遭った市区町村で、住宅等が以下の被害を受けた方達です。
- 住宅が「全壊」した世帯
- 住宅が「半壊」し、または、住宅の敷地に被害があり、住宅をやむを得ず解体した世帯
- 危険な状態が継続し、居住できない状態が長期間続いている世帯
- 大規模な修繕をしなければ居住することが困難な世帯
被害の状況に応じて「基礎支援金」が、また、住宅を建設、購入しようとしている方達には「加算支援金」が支給されます。さらに、市区町村によりますが、「特別支援金」を支給する市区町村もあります。
被災者生活再建支援制度の給付金額
基礎支援金の支給額
住宅が「全壊」または、「大規模半壊」、「半壊」等してやむを得ず解体した場合は、100万円の給付・補助を受けることができます。
また、住宅が「大規模半壊」、「半壊」等して大規模な修繕を行わなければ居住することが困難な場合には、50万円の給付・補助を受けることができます。
加算支援金の支給額
加算支援金は、基礎支援金に加えて支給されます。
① 住宅を建設・購入した場合は、200万円の給付・補助を受けることができます。
② 住宅を補修した場合は、100万円の給付・補助を受けることができます。
③ 民間の住宅を賃借した場合は、50万円の給付・補助を受けることができます。
ただし、民間の住宅を賃借し、その後、建設・購入した場合は、+150万円(1人世帯は+112.5万円)、また、賃借し、その後、補修を行った場合は、+50万円(1人世帯は+37.5万円)の給付・補助を受けることができます。
【③の例】 自宅が全壊し、その後民間の住宅を賃借した後、自宅を購入したケース(2人世帯)
基礎支援金 100万円 + 加算支援金 50万円(賃借分) + 加算支援金 150万円(購入分) = 300万円 ⇨ 給付金300万円
基礎支援金と加算支援金は、合わせて最大300万円のもらうことができます。
基礎支援金・加算支援金の申請期限
基礎支援金と加算支援金には申請期限があるため、ご注意下さい(申請期限は、申請する市区町村のホームページ等で必ず確認して下さい)。
・加算支援金の申請期限:災害のあった日から37か月
被災者生活再建支援金の手続方法
被災者生活再建支援金は、被災世帯の世帯主が申請者となります。この制度は世帯が複数か1人かで支援金の金額が異なるため、世帯全員の住民票の提出が必要です。申請先は地元の市区町村役場です。
基礎支援金の必要書類
- 被災者生活再建支援金支給申請書
- り患証明書(市区町村が発行)
- 解体証明書(市区町村が発行)または滅失登記簿謄本(⇦大規模半壊または半壊の被害認定を受け、住宅を解体した場合)
- 住民票
- 預金通帳の写し
加算支援金の必要書類
加算支援金を同時に申請する場合は、上記の基礎支援金の必要資料の他、住宅の再建方法(建設、購入等)を確認できる契約書等の写しが必要です。
次は、「災害障害見舞金」についてご説明します。
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災害障害見舞金について
自然災害により、日常生活を送ることが困難になるほどの障害を負った場合には、「災害障害見舞金」の給付・補助を受けることができます。
自然災害の規模は、一つの市区町村において住居が5世帯以上滅失した等一定の被害をもたらした災害です。
受給を受ける方の条件
生活が困難な障害の状態とは、具体的には以下のいずれかの条件に該当する状態をいいます。
- 神経系統の機能または精神に著しい障害があり、常に介護が必要
- 両目が失明した
- 咀嚼(そしゃく)および言語の機能を失った
- 精神または身体の障害が重複して障害の程度が一定以上
- 両上肢を肘関節以上で失った
- 両上肢の用を全廃した
- 両下肢を膝関節以上で失った
- 両下肢の用を全廃した
災害障害見舞金の給付金額
・生計維持者(生計を担っている方)が重度の障害を負った場合は、250万円の給付・補助を受けることができます。
・その他の方(生計維持者でない方)が重度の障害を負った場合は、125万円の給付・補助を受けることができます。
災害障害見舞金の手続方法
被災時の住所地の市区町村役場に、以下の書類を提出します。
- 災害障害見舞金支給申請書(調査票)(市区町村役場)
- 障害があることを証明する医師の診断書
- 預金通帳の写し
災害弔慰金について
自然災害によって、家族を亡くされた方は「災害弔慰金」の給付・補助を受けることができます。
自然災害の規模は、「災害障害見舞金」と同様に、一つの市区町村において住居が5世帯以上滅失した等一定の被害をもたらした災害です。
受給対象のご遺族
- 配偶者、子、父母、祖父母
- 亡くなった方の死亡当時、亡くなった方と同居または生計を同じくしていた、兄弟姉妹
災害弔慰金の給付金額
- 生計維持者の方が亡くなった場合は、500万円
- その他の方が亡くなった場合は、250万円
災害弔慰金の手続方法
被災された方の住所地の市区町村役場に必要書類を提出します。提出書類は以下です。
- 災害弔慰金支給申請書(調査票)(市区町村役場)
- 死亡診断書の写し
- 申請される方の身分証明書の写し
- 申請される方名義の預金通帳の写し
- 住民票
最後に、給付金や助成金ではありませんが、災害救助法が適用された自然災害により一定の条件を満たした場合には、「災害援護資金貸付制度」という貸付けが受けられる制度があります。この制度についてご説明します。
災害援護資金貸付制度について
「災害援護資金貸付制度」とは、災害救助法が適用された自然災害によって、世帯主が1か月以上のけがをした場合や自宅が大きな被害を受けた場合等に、生活を立て直すための資金として借り入れることができる制度です。
世帯全員の前年の住民税における総所得の合計額が一定の金額以下でなければならないという要件があります。
今回は、東日本大震災に関する災害援護資金の貸付けについてご説明します。東日本大震災の災害援護資金の貸付けの申し込み期限は、「平成31年3月31日」に延長されました。
災害援護資金の対象となる世帯
世帯全員の住民税における前年の総所得金額の合計が以下の表の金額未満でなければなりません。
世帯の人数 | 世帯全員の総所得金額の合計 |
1人 | 220万円 |
2人 | 430万円 |
3人 | 620万円 |
4人 | 730万円 |
5人以上 | 730万円に1人増加ごとに30万円を加えた額 |
住居が滅失、流失した場合は、世帯の人数に関係なく、1,270万円です。 |
災害援護資金の貸付け限度額
災害援護資金の貸付け限度額は、下記の表のとおりです。ご確認下さい。
被害の状況 | 貸付け限度額 | |
世帯主が、1か月以上のけがを負った場合 | 家財及び住居に損害がない場合 | 150万円 |
家財の損害が1/3の場合 | 250万円 | |
住居が半壊した場合 | 270万円(350万円) | |
住居が全壊した場合 | 350万円 | |
住居の全体が滅失・流失した場合 | 350万円 | |
世帯主にけがが無い場合 | 家財の損害が1/3以上の場合 | 150万円 |
住居が半壊した場合 | 170万円(250万円) | |
住居が全壊した場合 | 250万円(350万円) | |
住居の全体が滅失・流失した場合 | 350万円 |
※( )の金額は、被災した住居を建て直す時に、その住居の残存部分を取り壊さなければならない特別な事情がある場合の限度額です。
災害援護資金の貸付けの条件(東日本大震災)
① 利率について
・連帯保証人を立てる場合 : 無利子
・連帯保証人を立てない場合 : 年1.5%
② 償還期間 : 13年 (据置期間含む)
③ 据置期間 : 6年 (特別の事情がある場合は8年も可)
・今回の災害により世帯主が亡くなった、または、障害を負った場合
・生活保護世帯または住民税非課税世帯の場合
・今回の災害により住居が全壊した場合
④ 償還方法 : 年賦 または 半年賦
元利金等償還(据置期間中に限り繰上償還可)
災害援護資金の手続方法
被害を受けた世帯の世帯主の方が被災した住所地の市区町村役場に必要書類を提出します。
以下、提出する必要書類です。
- 災害援護資金借入申込書
- り災証明書(市区町村より)
- 世帯全員分の所得証明書
- 医師の診断書(世帯主がけがを負い、療養期間1か月以上と見込まれる場合)
連帯保証人がいる場合は、連帯保証人の住民票、保証能力を証明すための書類(所得証明書、源泉徴収票等)が必要です。
参考 防災情報のページ内閣府防災担当
まとめ
年々、台風や豪雨、地震による自然災害の被害が大きくなっています。民間の地震保険等の検討も必要です。地震保険のしくみや地震保険のメリット・デメリット等については、ブログの中でも解説しています。よろしければご覧下さい(「地震保険の加入は必要か~地震保険のしくみや認定基準、メリット・デメリット」について)。まずは、ご説明した自治体の災害給付金・補助金の制度を、後の生活を支える手助けとして活用していただきたいです。
地震保険の加入は必要?~地震保険のしくみやメリット・デメリットについて~保険料の割引制度等わかりやすく解説!申請には期限があるものもあります。情報は早めに入手して、必ず期限内に申請を行うようにしましょう。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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