☛【保存版】サラリーマンの節税対策。所得控除、税額控除、副業を活用した節税方法がわかります!

【経営者必見】いい税理士の探し方、選び方。契約・変更のポイントや違いを比較!個人、法人の確定申告、決算はどこに相談する?

税理士事務所の探し方・選び方

FP教える

今回は、税理士・会計事務所の探し方、選び方、契約時のポイントについてご案内します。経営者向けのテーマです。
記事の文章量がやや多いため、お忙しい方・お急ぎの方は目次を中心にご確認いただき、興味のある項目を優先して読んでみて下さい。

目次

はじめに(私の職歴について)

税理士・会計事務所応接室

まず私ごとですが、簡単に過去の経歴についてご紹介します。

私は新卒で、ある金融機関に入社しました。その後、会計事務所(税理士事務所)に転職し、全部で4つの会計事務所を経験しました。

現在は、4つ目に転職した会計事務所の関連会社で働いています。

まず最初に、なぜ私が4つも会計事務所を経験したかその理由についてお伝えしたいと思います。

会計事務所の従業員の給与は全ての業界の中で平均的に低めです。

これは、会計事務所の特徴の一つでもあります。会計事務所に勤める職員が給与を増やしたいと思っても同じ場所で働いていては基本的に年収アップは期待できません。

年収を上げる一番良い方法は転職で、今いる会計事務所よりさらに規模の大きい会計事務所に転職できれば年収アップの可能性は広がります。

私が会計事務所に複数回転職した一番の理由は年収を増やしたかったからです。

会計事務所の職員には、仕事上、経営者(個人事業主、法人の代表者)の方たちのお話を聞く機会が多く、勉強させていただくことがとても多いという良さがあります。

その分、経営に必要ないろんな分野の知識を身に付けておかなければいけません。

経営者の方たちとお話しする中でよく話題に出るのが、「税理士(会計事務所)はどこも同じだと思っていた」とか、「会計事務所のやることはどこも全て変わらない(例えば、決算や確定申告も誰がやっても結果は同じ)と思っていた」、「税金の申告しかしてもらえないと思っていた」等といったことです。

会計事務所は、所長(税理士)の経験や人柄、経営方針、目指す方向性や目標、お客様に対する考え方、税金の考え方等の違いによって経営者の方たちが受けるサービスや印象が大きく変わります。

私自身、個人や法人の会計事務所を4ヶ所、さらに規模も全て異なる会計事務所を経験しとても勉強になりましたが、どの事務所も雰囲気や方針、サービス内容など全く異なるものでした。

そのため、経営者の方たちが少しでも会計事務所の違いをイメージできるように、また、ご自身に合う税理士を見つけられるようなご案内ができればと思っています。

私(FP教える)の経歴について
  1. 新卒で金融機関に就職
  2. A会計事務所(個人事業)に転職 : 6ヶ月勤務
  3. B会計事務所(個人事業)に転職 : 2年勤務
  4. C会計事務所(法人)に転職 : 3年勤務
  5. D会計事務所(法人)に転職 : 15年勤務
  6. D会計事務所のグループ会社に転籍 : 現在勤務

場所についてはどの会計事務所も同じ市内です。ただし、区はそれぞれ異なります。

 

私が経験した税理士・会計事務所の特徴や違いについて比較表まとめ(契約時のチェックポイント)

FP教える

私が勤めていた4つの会計事務所について、特徴や違いをまとめました。以下の比較表をご覧下さい。

以下の比較表は、私が過去勤めた4ヶ所会計事務所について特徴等を比較したものです。

「4つの税理士・会計事務所の特徴や違いの比較表」について

「4つの税理士・会計事務所の特徴や違いの比較表」は、私が過去勤めた会計事務所の特徴などについてまとめたものです(これらの情報は私が勤務していた当時のものです)。この表の内容が他の全ての税理士・会計事務所に当てはまるものではありません。参考程度にご覧下さい。

A会計事務所 B会計事務所 C会計事務所 D会計事務所
①経営形態 個人事業 個人事業 法人 法人
②従業員数(グループ全体) 3名(個人事業主+従業員2名) 11名(個人事業主+従業員10名) 約30名(グループ全体) 約125名(グループ全体)
③所長税理士、代表税理士の性格 明るくフレンドリー(友好的) 穏やか 指導者タイプ(リーダーシップ) 先生タイプ
④勤務当時の所長の年齢 50代前半 40代後半 50代前半 70代前半
⑤料金体系は明確か(料金表の有無)
⑥サービス形態 主に来客対応型 主に来客対応型 主に訪問対応型 主に訪問対応型
⑦お客様層(個人事業主と法人の割合) 個人事業がほとんど 個人7:法人3程度 個人5:法人5程度 個人4:法人6程度
⑧グループ会社の有無 有(コンサル会社、行政書士事務所、社労士事務所) 有(コンサル会社、行政書士法人、社労士法人等)
⑨資格者 税理士のみ 税理士のみ 税理士、社労士、行政書士、FP 税理士、社労士、行政書士、中小企業診断士、宅建士、FP等
⑩生保・損保代理店
⑪従業員教育に力を入れているか(外部研修、通信講座受講等)
⑫従業員に税理士資格取得を推奨しているか
⑬接客担当者は誰か 所長 所長・従業員 従業員 従業員
⑭担当変更の有無 少ない 有(多い)
⑮税務調査対応 従う 従う 戦う 主張、協調バランス良く対応
⑯記帳代行
⑰節税提案
⑱利益計画・税額予測資料等の作成
⑲役員報酬シミュレーション
⑳月次決算
㉑銀行対応
㉒補助金・助成金の手続き
㉓相続税申告・相続手続き
㉔個人コンサルティング(ライフプラン作成)
㉕M&A

税理士が取り扱う税金は主に所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税です。また、税金だけでなく経営に関係する幅広い知識や実務経験も必要になります。

資金繰り、人、労働に関わる知識、事業承継の知識等も身に付けて、これらの情報をタイムリーにお客様に提供しなければいけません。

税理士は医者(医師)に例えると分かりやすいと思います。

医師が扱う診療科目は、外科や内科、小児科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻科、皮膚科、胃腸科、心療内科等その分野はとても広いものです。

どんなに優秀な医師でも、一人の医師が世の中の全ての診療科目の知識や技術を持っていて全て一人でこなせる人はいないと思います。

一般的に税理士も同じで、税金や経営に関する全ての知識やこれら全ての実務経験を持った税理士はいない思います(中には取り扱える分野、得意分野をいくつも持った有能なスーパー税理士もいます)。

一人では能力にどうしても限界があります。

クリニックではやれることは限られていますが、大きな総合病院はその病院の中でほぼすべての患者さんをみることが可能です。

ただし、クリニックにはクリニックの良さがいくつもあり、総合病院にもデメリットはあります。

税理士も同じで、税理士1人の会計事務所や従業員が10人未満の会計事務所はクリニックのようなイメージです(全国の会計事務所の90%以上がこの規模です)。

従業員が100人以上いる会計事務所は大きな総合病院のイメージです(従業員50名以上の会計事務所の割合は全国で10%未満です)。

ここで私が言いたいことは、事務所が小さければ良いとか悪いとか、事務所が大きければ良いとか悪いとかということではありません。

小規模の会計事務所には小規模事務所の良さ、大規模の会計事務所には大規模事務所の良さがそれぞれあります。

ただし、税理士を選ぶ上でその税理士・会計事務所の良さの見極めがとても大切です。

契約前には税理士や会計事務所の職員と直接会って話し合い、疑問点は必ず確認してみて下さい。

経営者の方たちがご自身の事業や会社に何が必要か、足りないものは何か、税理士・会計事務所に何を求めるのかも契約前にしっかりと考えることも大切です。

税理士との相性も契約する上で大切な要素ですね。

それでは、次の章で比較表の各項目を一つ一つ簡単にご説明します。

 

「税理士・会計事務所の特徴や違い比較表」の解説

税理士・会計事務所の特徴や違いの比較、打ち合わせ

①経営形態

経営形態は、個人事業か、法人かということです。個人経営2つ、法人経営2つの会計事務所を経験できました。

全国にある税理士・会計事務所の経営形態のほとんどは個人事業です。

大きな会計事務所でも最初は個人経営からスタートしている場合が一般的です。拡大志向の強い税理士は早めに法人化する傾向があります。

税理士法人を設立するためには、2名以上の税理士(社員)が必要です。

個人事務所も法人事務所もやれる業務やできない業務(サービスを提供できるかできないか)に差はありますが、取り扱うメインの業務については基本的に同じです。

②従業員数(グループ全体)

税理士・会計事務所の規模について一つの目安になるのが従業員数です(従業員数は勤務当時)。

今回私がお伝えしている従業員数は税理士事務所だけでなくグループ全体の従業員数です。

売上規模で判断するとより確かですが売上規模は入手しにくいため、規模については従業員数を確認するとイメージしやすいと思います。

私自身の話ですが、20代の頃はまだまだ自分の能力に自信がなかったため、ステップアップしやすいように従業員数を確認しながら転職活動を行いました。

先ほどもお伝えしましたが、税理士・会計事務所を医療機関に例えると分かりやすいです。

従業員数が増えれば増えるほど、一般的にやれること、提供できるサービスは増えます。

ただし、小さな事務所でも提携先をいくつも持っていて、できない仕事は提携先と一緒に取り組む会計事務所もあります。

規模の大小によって、一つのグループで完結できるかできないかの違いがあります。

③所長税理士、代表税理士の性格

この項目については、人それぞれですので特に説明は不要ですね。

私がお世話になった所長や代表は、振り返ってみると良い印象ばかりで悪い思い出等は特にありません。

税理士なので当然頭が良く、優秀な人、尊敬できる人たちでした。

税理士を選ぶ上で、1回会った程度では性格はなかなかつかめませんが、最初に悪い印象を持った場合ほぼその印象は当たると思います。

税理士や担当者との相性はとても大切は要素です。税理士を検討する際には、いくつか比較して選ぶことをおすすめします。

④勤務当時の所長の年齢

年齢については、40代後半から70代前半で経験豊富なベテランの部類です。それぞれの経験や体験を教えて下さったり、時には叱られることもありました。

私自身いろいろと勉強させていただきました。

例えば、年齢が若いからといって知識が少ないとか高齢だから経験豊富で仕事ができるという訳ではありません。

若くてもバリバリ仕事をこなす、お客様思いで勉強熱心の税理士と何人も会ったことがあります。

いろんな年齢層の税理士がいる事務所も良さの一つの判断材料になります。

年齢が比較的若い税理士は、例えば新しいインターネットを中心にしたビジネスや業種に詳しい傾向があります。

複雑で難しい事業内容も早めに理解してくれると思います。

⑤料金体系は明確か(料金表の有無)

料金については、経営者の方たちが最も重要視する項目です。

料金表をしっかりと作成して、根拠を持って見積書を作成してくれる税理士・会計事務所は信頼できます。

事務所が小さいから安いとか事務所が大きいから高いということはありません。料金やサービス内容は事前にしっかりと確認しましょう。

希望の料金を伝えたり、値引き交渉することは難しいことだと思います。

それでも、希望の料金を伝えることによって、税理士がその料金に合わせたサービスを提案してくれることもあります。

また、税理士紹介会社を通して税理士を探す場合は、自分ではやりにくい料金交渉もしてくれるので税理士紹介会社を利用することも一つの方法です。

税理士紹介会社を利用することはいくつもメリットがあります。

 

(税理士ドットコムに移動します)

 

⑥サービス形態

主に来客対応型(事務所に訪問する)か訪問対応型(税理士や担当者が来てくれる)の2種類かまたは、その組み合わせで対応するパターンが一般的です。

料金については、訪問型よりも来客型の方が低い傾向があります。来てもらう方が手間もかからず時間の節約もできますが、その分料金は上がります。

どちらのスタイルがご自身に合うか検討してみて下さい。

⑦お客様層(個人事業主と法人の割合)

こちらも税理士・会計事務所によって異なります。税理士の経営方針によっても異なります。

とにかくお客様を増やしたいとか、お客様は厳選したいとかによっても変わります。

法人設立に力を入れ(設立の登記は司法書士の仕事です)法人中心でやりたい税理士や所得税が得意だから個人事業主を中心にこなしている税理士など様々です。

その税理士・会計事務所が法人が得意なのか、個人事業主が得意なのか、またどの業種が得意なのか苦手なのかも税理士を選ぶ上で確認が必要な項目です。

⑧グループ会社の有無

お客様に様々なサービスを提供する、売上規模を増やす、従業員を増やす等目的はそれぞれですが、グループの中で会社等を設立することによって得られるメリットはいくつもあります。

一番のメリットは、一つのグループ内でサービスを完結できるということです。

税理士・会計事務所のグループとして一般的に多いのは、社会保険労務士(社会保険・労働保険の手続き、給与計算、就業規則の作成、労働問題のコンサルティング等)や行政書士(法人設立業務の一部、相続手続き、建設業許可申請等)業務を行う、生命保険・損害保険の代理店、経営コンサルティング会社を設立する等です。

グループの中でこれらの事業や会社があるといろんなサービスを提案してくれます。

意外と知られていないのが、給与計算の専門家は社会保険労務士だということです。

毎月の試算表の作成、決算業務、確定申告だけでなく、給与計算や社会保険、労働保険の手続き、助成金の手続き等を一つのグループ内で行うことができれば経営者(お客様)の負担は減ります。

ただし、一般的にほとんどの税理士・会計事務所は社会保険労務士や行政書士(税理士は登録することによって行政書士になれます)、司法書士、弁護士事務所等と提携しています。

対応できない業務や対応してはいけない業務がありますので、その場合は別の専門家(弁護士、司法書士、社会保険労務士等)を紹介してくれます。

⑨資格者

これは、⑧の項目と関連する内容です。

資格者についても従業員数が多ければ多いほど、様々な専門的な資格を持った人が所属している可能性は高くなります。

「税理士」は、税金(中心は国税)の申告や経営等主に数字を中心にしたコンサルティングに関する専門家です。

「弁護士」は紛争やトラブルの解決の専門家、司法書士は不動産や法人設立の登記等の専門家、行政書士は各種手続きや申請の専門家、社会保険労務士は人(労働者)についてや助成金の専門家、中小企業診断士は経営コンサルティングや補助金の専門家、不動産鑑定士や宅地建物取引士は不動産の専門家、FP(ファイナンシャルプランナー)は個人の家計や生命保険。損害保険等の専門家です。

税理士の中でも、例えば社会保険労務士や宅建士の資格を持って活躍している人もいます。このように、一人でいくつもの専門分野を持っている税理士もいます。

弁護士、司法書士、不動産鑑定士、社会保険労務士等ほぼすべての専門家が所属している巨大なグループもあります。

フットワークが良く小回りがきく税理士が良いか、一つのところでほぼ全ての業務をやってもらえる規模の大きなグループが良いか、どちらが良いかはご自身の経営や事業規模等を再度確認してみて下さい。

⑩生保・損保代理店

最近では、保険業法の改正によって生命保険の代理店をやめる税理士も増えつつあります。

これは、生命保険を販売する環境がますます厳しくなり、また、節税(利益の繰り延べ)目的の保険、返礼率の高い商品の損金算入割合について見直しがあったりと法人が加入する保険も以前に比べて限定されてきたことが理由の一つです。

生命保険、損害保険の代理店を持つか持たないかも税理士の考え方の違いがあります。

一般的に経営者のほとんどはお金を借りて設備投資をしたり、運転資金を得たりしています。

経営者の方に万が一のことがあった場合には残された家族や従業員の立場が不安定になります。

この問題をカバーできるのが生命保険です。この生命保険を提案する場合も、保険募集人の資格を持った人が所属していることによって、その経営者(お客様)に合ったものを提案できます。

無駄な保険や必要以上に保障の高いものに加入する必要はありません。

損害保険も万が一事故を起こしてしまった場合等のリスクに対応することができます。

税理士のグループ内に生命保険や損害保険の代理店があると経営者の方たちが改めて保険を探す負担を減らすことができます。

保険については、経営を継続する上で必要な商品の提案を受け、必要なものを比較しながら加入を検討することは大切なことです。

その提案が合わないと思ったら断れば良いです。

⑪従業員教育に力を入れているか(外部研修、通信講座受講等)

従業員教育についても所長や代表税理士の考え方によって異なります。

この項目の教育とは、実務的な外部研修や実務に活かせる通信講座の受講等を意味します。

従業員がしっかり勉強していることは、お客様へのサービスの向上に繋がります。

ただし、従業員が数名の事務所では、従業員の誰かが外部研修に参加してしまうと仕事が回らなくなる可能性もあります。

事務所の規模によっても従業員教育が積極的にできるかできないかの差はあります。

また、税理士・会計事務所によっては社内の独自の研修体系を確立しているところもあります。

税理士・会計事務所の業界は、改正や変更点が多く、また新たに勉強が必要なことが次から次へと出てきますので、日々勉強していないとお客様に良いサービスを提供し続けることが難しくなります。

最終的には従業員の意識の高さ、個々の努力や頑張りの差にはなりますが。

⑫従業員に税理士資格取得を推奨しているか

この項目については、税理士を探す経営者の方には直接関係してくる内容ではないかもしれません。

比較的規模の大きい事務所では、数名税理士が所属しているケースが一般的のため、大変な税理士資格の取得を目指すよりも実務に直接関係する内容の勉強をしてほしいという考え方があると思います。

逆に、小さな規模の事務所(A事務所、B事務所)に所属していた時にはどの所長も税理士試験の合格を目指してほしいということをよく言っていました。

いろんな理由があると思います。税理士を取得してレベルアップして多くの経験を積んで欲しいとか、将来面倒をいつまでもみれない可能性があるため早めに独立してほしいとか様々な理由があります。

⑬接客担当者は誰か

従業員がいないか、2~3名程度の会計事務所の場合、ほぼ接客は所長の税理士になります。

数名の従業員は事務処理を中心に行っているケースが多いです。

経営者によっては、税理士と直接やりとりしたいと考えている方も多いため、このような場合は比較的規模の小さい事務所を選択すると良いです。

また、初回の話し合いで担当者は税理士希望と伝えておくこともありです。

フットワークの良さは小規模会計事務所の良さです。

半面、大規模事務所では担当者は資格者でない場合があります。この場合、税理士ではないが他の資格を持っている、特に資格は持っていない等いろんなパターンがあります。

この業界には、資格はなくても実務のスペシャリストはたくさんいますので心配はないと思います。

⑭担当変更の有無

担当変更については、小規模の事務所にいる時はほとんどありませんでした。中規模から大規模になるに従って担当変更が多くなったと感じます。

経営者の方の中には、担当がコロコロ変わることを嫌がる人もいます。逆に気にしない人もいます。

担当変更がない会計事務所と契約したいとか、担当を頻繁に変更しないでほしいという経営者の方は、⑬の項目でも少しお伝えしましたが、比較的小規模の会計事務所を選ぶと良いと思います。

税理士や担当者との相性は税理士・会計事務所と契約する、その後継続する上でとても大切です。

次のような考え方もあります。

担当者と合わない場合は、担当変更については中規模や大規模の事務所の方が比較的柔軟に対応してくれます。

小規模の事務所では従業員がもともと少ないので担当変更は逆に難しい場合があります。

最近では、比較的大きな規模の事務所の中には複数担当制にしているところもあります。

誰か一人が対応するよりも組織で対応することによって専門的なサービスを強化できます。

また、万が一その担当者が退職してしまった場合でも経営者(お客様)に迷惑をかけることがないようにしています。

⑮税務調査対応

こちらも規模の大小はあまり関係しない項目です。

私が働いていたA事務所とB事務所の所長はほとんど主張することなく税務署に従うタイプの税理士でした。

C事務所の所長はかなり主張して意見を通そうとする税理士でした。主張というか戦うといった感じだったと思います。

C事務所の所長は、常にお客様とは対等の関係を築かなければいけない、偉そうにふるまってはいけないという言葉が口癖でした。

お客様を守ろうとする意志を伝えていたと思います。

D事務所は、主張すべきところはしっかりと主張し、引くところは引くといった感じで上手く交渉していくタイプです。

ここで大切なことは、税務調査で税務署に従うのが良いとか悪いとか、また、戦うのが良いとか悪いとかということではありません。素直に従うことも戦略の一つではあります。

税務調査の対応で大切なのはバランスだと思います(税務調査に慣れている税理士がよく言っています)。

税務署の税務調査に精通したOBを積極的に採用して、税務調査専任にしている会計事務所もあります。

日頃からしっかりと正しく帳簿をつける作業をしていれば税務調査にきても心配ないと思いますが、それでも税務調査は嫌なものです。

経営者の方たちも税務調査には不安を感じている方も多いと思います。

税理士や会計事務所の従業員も税務調査は神経をすり減らします。とてもストレスで、会計事務所の仕事の中でもキツイ仕事の一つです。

税務調査の対応に慣れている税理士、税務調査立会い経験が豊富な税理士の存在も税理士を選ぶ上でのポイントになります。

⑯記帳代行

記帳代行とは、お客様の資料を預かってその資料をもとに会計ソフトに仕訳を入力していく作業です。

私の経験した事務所では、どの事務所も全て記帳代行も積極的に受けていました。料金も顧問料の中に含まれていました。

中には、記帳代行は受けませんという税理士もいます(決算、確定申告のみ)。税理士1人で経営しているとか従業員が1~2名程度しかいないといった事務所にみられます。

記帳代行もお客様の規模によってはかなり時間がかかるので仕方のないことです。

この場合、ご自身または経理担当の従業員が入力する(自計化)か、記帳代行専門会社に依頼することになります。

注意が必要なのは、ご自身で入力する場合に税理士・会計事務所からシステムや会計ソフトを指定される場合があります。

この場合、システム導入費用や毎月の保守管理料を会計顧問料とは別に請求される契約になることがあります。

ご自身で入力する場合は、事前に必ず費用等について確認してみて下さい。

⑰節税提案

節税提案については、単純に知識があるかないかの問題もありますが、税理士の考え方の違いが大きく影響します。

納税は基本的に国民の義務なので、税金を減らす努力をすること自体がおかしいと考える税理士もいます。

私の経験からも、節税にはあまり積極的でない所長税理士もいました。

質問があれば一般的なことを簡単に伝える程度です。ではどちらが良いか悪いかですが、結局どちらも間違ってはいない、正しいと言えます。

もちろん、節税は合法的に行わなければいけません。

ただ、経営者の方からすると資金繰りのためにできるだけ節税したいとか、納税するなら別の費用にあてたいと考えるのが普通だと思います。

節税を積極的に行いたい方は節税についてのアドバイスを定期的にしてもらえるか聞いてみて下さい。

⑱利益計画・税額予測資料等の作成

利益計画、税額予測資料とは、期末(個人事業主は12月)まで残り3ヶ月程度の時に残りの数か月の予測を経営者の方と打ち合わせし予測利益を算出します。

そして、トータルの税金の見込みを伝えます。利益がでる予測であれば節税の提案をしたり、マイナスであれば資金繰りについて話し合わなければいけません。

利益が出る出ないにかかわらず重要な仕事です。

私が勤めた事務所では、この利益計画や税額予測資料の作成は顧問料の中に含まれていました。

税理士や担当者にとっても、経営者の方たちとコミュニケーションがとれるきっかけにもなります。

この税額予測について、具体的に資料を提供して説明する税理士としない税理士がいます。簡単に電卓をたたいて、予測の税金を伝える場合もあります。

対応の仕方は税理士・会計事務所によって異なります。

⑲役員報酬シミュレーション

法人の場合、役員報酬のシミュレーションはとても大切なことです。

⑱の計画の中で来期の役員報酬の話し合いも一緒に行うケースもあります。

経営者の方たちにとって最も大切で関心のある項目の一つがご自身の給与(役員報酬)です。

経営者は、ご自身の給与はできるだけ増やしたいと考えるのが普通です。役員報酬の額は成功の証ともいえるからです。

また、他の役員がいる場合、その役員の報酬についてもシミュレーションを行います。

役員報酬の話をしっかりするということは、経営者の方の性格や事業内容、経営状況等をしっかりと把握していないといけません。

また、法人税の予測、経営者(役員)の所得税や住民税、社会保険料等のシミュレーションを行う必要があります。

⑳月次決算

月次決算とは簡単にいうと、毎月の売上や支払いを発生ベースで計上して減価償却費等の経費も概算計上する等、正しい営業数字や財政状況を月々明らかにすることをいいます。

特に一定規模の経営者が月次決算をしっかりと行っていないと、急に資金繰りに困って銀行から借り入れることになった場合に対応できなかったり、また、決算を行ったら予想していた数字と大幅に違ってしまったなんてこともあります。

月次決算を行うためには、経営者の方たち(お客様)の協力も必要です。

資料回収が年1回のお客様ではできません。また、そもそも経営形態や事業規模によっては必要のない場合もあります。

必要なら、契約する税理士と打ち合わせをしておきましょう。

㉑銀行対応

ここでいう銀行対応とは、経営者の方が銀行から融資をしてほしいと希望した場合に、紹介できる銀行をいくつ持っているかということです。

また、融資を実行してもらうために、経営計画書(事業計画書)を作成できるシステムやソフトを導入しているか、そして、そのシステムから説得力のある計画書を作成するサポートができるかということです。

経営計画書作成の専門家は中小企業診断士ですが、税理士の専門分野でもあります。

税理士に紹介できる金融機関がいくつもあると経営者の方たちは安心できます。

経営者の方たちはたくさんの悩みを持っています。中でも大きいのは資金繰りです。資金繰りに直接関係する銀行対応は大切な項目です。

㉒補助金・助成金の手続き

補助金の専門家は中小企業診断士です。また、助成金の専門家は社会保険労務士です。

ものづくり補助金、創業補助金等の補助金がありますが、補助金の申請は高度な専門知識と経験が必要です。簡単に補助金はもらえません。

D事務所は補助金の申請を積極的に行っています。助成金は社会保険労務士がグループ内にいるC、D事務所が行っています。

助成金については、主に従業員を採用する時にポイントとなります。助成金は、知っていれば本当はもらえたのにといったこともよくあります。

直接税理士が行う分野ではありませんが、後悔しないように助成金のアドバイスも受けたいですよね。

㉓相続税申告・相続手続き

相続税申告、相続手続きは現在の超高齢社会においては税理士、会計事務所にとってとても大切な仕事です。

A事務所は、在籍期間が半年程度でした。その間相続税の申告の問い合わせがありましたが、そのお客様を別の税理士に紹介していました。

現在の状況は分かりません。このようなケースは普通にみられます。

B事務所は相続税に詳しい税理士(所長とは別)が処理件数は少ないですが申告していました。

C事務所とD事務所は相続専門の部署があります。

相続続きは行政書士がいないと難しい場合があります(税理士や行政書士にはできない相続手続きもあります)。

相続税や贈与税についても詳しい税理士・会計事務所であれば事業や個人資産等の全てをトータルしたアドバイスが受けられます。

㉔個人コンサルティング(ライフプラン作成)

個人や家計のコンサルティングはFPが専門家です。

ライフプランの作成ソフトを導入して、家計のコンサルティングができるか、生命保険や住宅ローン等を含めた家計の見直しコンサルティングができるかなどがポイントです。

ライフプランソフトを導入して家計のライフプラン表の作成に積極的に取り組んでいるのはD事務所のみでした。

経営者の方たちは、事業が安定してくると家計や資産運用等にも関心を持つ方がたくさんいます。

このようなアドバイスも一つのところで受けられると安心できますよね。

㉕M&A

M&Aは、税理士・会計事務所にとって難易度の高い仕事の一つです。

経営者の方たちの中には、後継者がいないから自分の会社を買ってくれるところを探してほしいとか、手っ取り早く規模を拡大したいからどこか良い先を買いたいといったご要望があります。

一般的に税理士・会計事務所ではこのようなご要望に応えることは難しいです。全国から売り手や買い手を探すことはほぼできないからです。

このようなご要望に応えるために、例えば、日本M&Aセンター等と提携している税理士も全国にいくつかあります。D事務所もその中の一つです。

日本M&Aセンターなら売り手や買い手を探してくれます。

税理士・会計事務所の担当者と日本M&Aセンターの担当者が連携しながらマッチングのサポートを行います。

 

経営者が初めて税理士・会計事務所と契約を考えるきっかけ

経営者の方が初めて税理士と契約を考えるきっかけはいくつかあります。

例えば、個人事業主として独立・開業した時や法人を設立した時は税理士との契約を考える一番のきっかけになります。

また、売上が順調に伸びてきて法人成りした時、忙しくなってきて経理や税金の手続きを行う時間が取れなくなってきた時、経営や節税面のアドバイスが欲しい、資金繰りの相談に乗ってもらいたい等きっかけは様々です。

個人事業主の時にはなんとか経営者の方がご自分で確定申告してきましたが、法人になるとさすがに法人決算・税務申告はできないため、この時点で初めて税理士との契約を考える経営者も多いです。

意外とあるのは、個人事業主としてずっとご自分で確定申告してきた中で、ある日税務調査の連絡を受けたため慌てて税理士に相談したり、税務調査時に税務署の指摘事項がいくつもあったため調査後に税理士との契約を検討するパターンです。

創業時(売上がまだほとんど上がっていない時期)に税理士との契約を考える場合にネックになるのが税理士費用です。

このような経営者のニーズにお応えするために開業や設立1年目のお客様の費用は特別値引きし、軌道に乗った2期目以降から通常の料金で対応する方法を取る税理士も増えています。

税理士の費用をカットしたつもりが、かえって税金の支払い等において高くついてしまいトータルでは損をしてしまったなんてことがよくあります。

良い税理士と契約すると良い効果を生み、経営において好循環の流れを作ることができます。

 

経営者が税理士・会計事務所の変更を考えるきっかけ

税理士と初めて契約を考えるきっかけをみましたが、それでは次に、経営者の方が現在契約している税理士をやめたい、変更して新しい税理士と契約したいと考えるきっかけにはどんなものがあるのでしょうか。

私が仕事上経験してきた中で最も多かったのは、「相談に乗ってくれない」といったコミュニケーションの問題です。

税理士に税金の申告だけをしてもらって満足する経営者は少なくなっています。やはり税理士と契約する理由は経営の相談相手になってほしいということが一番だと思います。

経営者の方たちとのお話の中でよく話題にのぼる税理士変更を考えるきっかけは主に以下の内容が挙げられます。

  • 相談に乗ってもらえない。
  • 質問やお願いをしてもすぐに対応してもらえない(レスポンス・反応が遅い)。
  • 会計・税務処理においてミスが続いた。
  • サービスの割に税理士費用が高く感じる。
  • 税務調査時に税務署側に何も言ってもらえなかった。
  • 契約時に聞いていたサービスが受けられない。
  • 経営面、資金繰り等のアドバイスをもらえない。
  • 気に入っていた税理士や担当者が退職してしまった。
  • 父から事業を引き継いだためこれをきっかけに税理士も新しく変更したい。

契約している税理士・会計事務所に不満がある場合は、言いにくいかもしれませんが税理士や担当者、事務所等に改善してほしいことを早く伝えることが大切です。

少し様子を見てそれでも改善されない場合や納得できる対応をしてもらえなかった場合には早めに税理士を変更する決断をすべきです。

改善を要求した後にそれなりの答えがなかったのですから、契約解除については伝えやすくその後の解約までの流れが進めやすくなります。

 

税理士・会計事務所変更時の注意点

税理士を変更することを決断した場合に、変更時のトラブルを防止するための注意点があります。

税理士契約を解除したいことを伝えなければいけませんが、ここで伝えるタイミングが大切です。

タイミングとして大切なのが、「税理士に預けている資料やまだ手元に届いていない商品を確実に受け取った後に解除を伝える」ことです。

例えば解除が期の途中であれば、まだもらっていない月次決算報告書(試算表)や入力時点までのの総勘定元帳やその会計データ、現時点までに預けた現金出納帳、預金通帳のコピー、請求書、領収証、レシート、各種契約書のコピー等が考えられます。

また、決算が完了している場合は税務申告書(確定申告書)や決算書一式、総勘定元帳やデータ、源泉徴収簿(年末調整関連の資料)、1年分の現金出納帳や普通預金通帳のコピー、請求書・領収書・レシート等が考えられます。

解除を先に伝えてしまうと、中にはなかなか資料を返却してくれない税理士がいますのでご注意下さい。

解除は、すべての資料や税理士・会計事務所の商品の返却を完全に受けてから伝えましょう。

次に大切なことは、一般的に税理士と契約する場合には業務委託契約書等の契約書を締結します(中には契約書のない税理士もいますが)。

その契約書の中で、例えば「解除の申しでは3ヶ月前に伝える義務がある」といったことが謳(うた)われていることが多いです。

このように、契約書の解除の項目を事前に確認しておき解除を伝えることが必要です(クレームによる解除の場合は、税理士・会計事務所によってはすぐに解除に応じてくれる場合もあります)。

ここでタイミングとして大切なのが、新しく契約する税理士の目処を立てておくことです。

解除後に税理士が決まていなかった場合、もし税理士のサポートを急に受けなければいけない事態になった時(資金繰りのサポート、税務調査等)困ることになるからです。

税理士変更時の注意点
  1. 解除を伝えるタイミングは、預けている資料やまだもらっていない商品を完全に受け取ってから。
  2. 正式に解除になる前に新たな税理士との契約の目処を立てておく。

 

失敗しない税理士・会計事務所の探し方、選び方

失敗しない税理士事務所の探し方、選び方

FP教える

それでは具体的にどのような方法で良い税理士を探せば良いでしょうか?

私が勤めた税理士・会計事務所の特徴や違いの比較の項目について全てを契約前に確認することはほぼ不可能です。

それでも、表の項目のなかで少しでも気になる部分はできるだけ契約前に確認していただきたいです。

税理士・会計事務所の主な探し方としては、以下の方法が考えられます。

税理士・会計事務所を探す方法
  1. 税理士・会計事務所のホームページを調べる。
  2. 知人や銀行、取引先に紹介してもらう。
  3. 税理士・会計事務所主催の研修やセミナー、勉強会に参加する。
  4. 税理士紹介会社に紹介を依頼する。

この4つが主な方法だと思います。一つ一つみていきます。

①税理士・会計事務所のホームページを調べる

ホームページから探す方法はよくとられる方法の一つです。

最近ではほとんどの税理士・会計事務所がホームページを設置しています。

ホームページを検索したり、インターネット広告をクリックしながら気軽に探すことができます。

ただし、料金等について詳しくは掲載していない場合が多いため、事務所の雰囲気等が気に入ったら一度電話して料金について確認すると良いです。

電話では正確な料金は伝えられない場合がほとんどですが、おおよその金額は教えてくれると思います。

料金がイメージの範囲内であれば打ち合わせの日程を決めましょう。

ホームページでは、どんな所長税理士か、所長税理士のプロフィールを確認します。また、事務所の方針やサービス内容については掲載されている場合が多いので確認できます。

さらに、働いているスタッフの紹介や具体的なお客様の声を確認できると何となくその事務所の雰囲気をつかめます。

ただし、当然ですがどの税理士・会計事務所も良いことばかり書いてあるので本質が見えにくい部分があります。

それでも、いくつかのホームページを確認し比較しながら検討しましょう。最終的に打ち合わせは最低でも2~3件は行ってから比較して決めると良いと思います。

②知人や銀行、取引先に紹介してもらう

知人等に紹介してもらう方法についてです。

特に知人に紹介してもらう場合は、その税理士や会計事務所がどんな雰囲気でどのような事務所か、規模やサービス内容、料金等打ち合わせ前にいくつも確認することができるメリットがあります。

また、知人はあなたと相性が合わなそうな税理士はたいてい紹介してこないと思います。

デメリットとしては、一度紹介されると知人にも、税理士にも断りにくいということが挙げられます。

その後の関係に影響があってもいけません。

次に銀行の紹介ですが、その銀行がメインバンクで融資を受けている場合等少なからずプレッシャーを感じると思います。

銀行側が本当に良い税理士を紹介してくれているかどうかの問題もあります。

知人の紹介と同様に、断りにくいのがデメリットです。

取引先の紹介も同じようなことがいえます。

③税理士・会計事務所主催の研修やセミナー、勉強会に参加する

税理士を探すためにセミナーに参加する方はあまりいないと思います。

セミナーの内容に興味があって参加してみたら、税理士の雰囲気が良かったとか信頼できそうな税理士だった等という理由で関心を持つことがあると思います。

その場合は、セミナー終了後等にいくつか質問してみると良いです。ご自身に合うようでしたら打ち合わせの日程を決めると話が進みます。

④税理士紹介会社に紹介を依頼する

一番おすすめできる方法が、税理士紹介会社に紹介依頼することです。

税理士紹介会社には、全てではありませんが全国の税理士事務所がたくさん登録されています。

税理士紹介の担当者は細かな要望をしっかり聞いてくれます。

そして、客観的な視点でご自身の性格や事業内容、受けたいサービス等から合いそうな税理士・会計事務所を複数紹介してくれます。

最初から絞り込んで紹介してくれるため、手間をかけず時間を無駄にしなくて済むこともメリットです。

例えば、表の中の項目で気になる部分は全て事前に確認することも可能です。

会ってみて相性など合いそうもなければすぐに断ることができます。

さらにその後、料金の交渉等も代わりにやってくれます。言いにくいことがあったら代わりに言ってくれたりもします。

契約した場合、税理士紹介会社は税理士から料金をもらうため、あなたが税理士紹介会社に料金を支払うことはありません。

FP教える

ここで一つ、私が過去に税理士紹介会社と関わってきた経験をご紹介します。
「税理士は、税理士紹介会社からくるお客さんに高い料金を提示するって本当?」(私の経験談)

 

私がD事務所に勤務していた当時、新規のお客様と初回のお打ち合わせをさせていただく仕事もしていました。

 

D事務所でもお客様の獲得方法の一つとして複数の税理士紹介会社と提携しています。提携するきっかけは、ほとんどが税理士紹介会社からの連絡(提携依頼)でした。

 

私の気持ちの中では、税理士紹介会社からも紹介を定期的にもらいたかったため、紹介されたお客様とは是非契約させていただきたいという気持ちで臨んでいました。

 

そのため、最初のうちは「税理士紹介会社の紹介ですから」と言って料金は通常の料金よりも少し値引きしていました。紹介していただいたお客様は幸いほとんどの方たちと契約することができました。

 

その後、税理士紹介会社との関係も軌道に乗ってからは定期的に紹介をもらうようになったため、通常の料金で契約させていただきました。

 

契約が決まった場合、税理士・会計事務所が税理士紹介会社に年間顧問料の合計の40%~60%(スポット契約等例外はあります)の紹介手数料を支払います。お客様からは税理士紹介会社等に支払うお金はありません。

 

よくネット上等で税理士紹介会社に依頼するデメリットとして、税理士が税理士紹介会社に紹介手数料をたくさん支払うため、契約した初年度は利益が出なくなるからその分割高の顧問料で契約させられるという噂があります。

 

このようなことをしている税理士事務所があるかないかは分かりませんが、D事務所ではこのようなことは一切ありません(多分、他の税理士も同じだと思います)。

 

契約した初年度は高額の紹介手数料を支払うため、利益を出すことは難しくなります。お客様に継続していただいて2年目から利益を出していく計算です。事務所の努力(職員の努力)で少しでも黒字になるように取り組みます。

 

税理士・会計事務所としては、1年でも長く継続していただきたいのが本音です(もちろんどのお客様もそうですが)。

 

当時の紹介手数料は、年間の顧問契約の40%程度が多かったです(現在は最低でも50%以上からと平均して高くなっています)。

 

例えば、料金表だと年間40万円が妥当のお客様とお会いして40万円で契約した場合、手数料は50%とすると20万円(40万円×50%)の紹介手数料を支払うことになります。そのため、税理士・会計事務所1年目の実質的な粗利益は20万円です。

 

契約した初年度は、一般的にそのお客様に慣れていないため一つの仕事を完了させるのに時間がかかります。そのため、ますます1年目から利益を出すことは難しくなります。

 

だからといって、このお客様に年間80万円の料金を提示したらまず契約してもらえません。それなら年間50万円提示した場合はどうかというと、もし契約してもらえたとして紹介手数料は25万円です。年間40万円で契約した場合と比較して5万円しか手数料は変わりません。

 

比較してみるとほとんど手数料は変わらないため、それなら(当然ですが)料金表の料金をしっかりと提示して契約した方が双方(お客様と税理士)のためになると思います。その後の利益を出す出さないは企業努力でカバーするしかありません。

 

料金等について気になることがある場合は、税理士紹介会社の担当者に相談してみて下さい。上手く対応してくれると思います。複数の税理士を紹介してもらい、複数の税理士と打ち合わせを行って下さい。

 

料金のこと以外の要望も含め、あなたに合う税理士・会計事務所と契約できると思います。

 

おすすめの税理士紹介会社厳選2社を比較

納得のいく税理士と契約するためのポイント
以下の2社は信頼できる税理士紹介会社です。この2社の税理士紹介会社を上手に活用していただきたいと思います。

 

税理士紹介会社に登録されている税理士の違いや税理士紹介会社の担当者との相性もありますので、まずはそれぞれの会社から1件ずつ紹介を受けることをおすすめします。

 

契約する税理士は当然ですが、税理士紹介会社の担当者の相性やサービスの違いも含め後悔しないようにしっかりと検討していただきたいです。

 

紹介された税理士2件と会ってみてさらに検討したければ相性の良いと感じる方の税理士紹介会社に続けて依頼する流れが良いですね。

税理士ドットコム

税理士紹介会社 税理士ドットコム 

「税理士ドットコム」は、運営会社が東証マザーズに上場している弁護士ドットコム株式会社で運営実績12年以上の大手の税理士紹介会社です。

信頼度、安心度の高い税理士紹介会社で税理士の登録件数は3,650名以上、紹介件数は78,000件以上の実績があります。

担当者が無料で何件でも希望に合う税理士を絞って紹介してくれます。打ち合わせ日程の設定から料金交渉まできめ細やかに契約できるまでしっかりと対応してくれます。

初めて税理士と契約したい経営者の方や税理士変更を希望している経営者の方等どの方にも向いている紹介会社で、納得のいく契約ができると思います。

全国対応で、早ければ電話した当日に最短で紹介してくれる場合もあります。担当者のスピーディーな対応も特徴の一つです。

税理士ドットコム 豊富な税理士ネットワーク

税理士ドットコムの一番の強みは、税理士の登録件数でその豊富なネットワークから最適な税理士を紹介してくれます。登録件数が多ければ多いほどあなたがご希望の税理士と契約できる可能性が高くなります。

経営者の方たちが税理士に求めているものはそれぞれ異なります。

どの地域か、どんな業種か、売上規模はどの程度か等をまず確認し、そのお客様、業種に強い税理士が基準になります、次に細かなご要望を確認して、その希望に合う税理士を絞って複数紹介してくれます。

税理士・会計事務所の規模や税理士の人柄の希望も伝えることができます。

税理士ドットコムの特徴まとめ

税理士ドットコムの特徴
  1. 運営会社は東証マザーズに上場している。信頼度、安心度の高い業界大手の税理士紹介会社。
  2. 登録税理士数は3,900名以上、紹介件数は78,000件以上の実績。
  3. 税理士と初めて契約する方、税理士変更を希望する方等どの経営者でもスムーズに対応してくれる。
  4. 無料で何件でも条件に合う税理士を絞って紹介してくれる。
  5. 希望の地域、業種、売上規模、経営の特殊性、細かな希望や悩みを確認して、最適な税理士を見つけてくれる。
  6. 全国どこでもスピーディーに対応してくれる。早ければ当日紹介してくれる場合もある。
  7. 税理士の人柄等も確認できる。

税理士ドットコムの口コミ

男性経営者(個人事業主美容室経営)

税金だけでなく売上管理等の相談にものってくれる税理士を希望していました。税理士ドットコムが紹介してくれた税理士は第一印象がとても良くて、料金等も希望する条件にぴったりでしたので契約することにしました。

女性経営者(法人ITサービス業)

自分でもネットから税理士を数名探して実際に会ってみましたが、契約締結までは至りませんでした。そのような中で最後は税理士ドットコムに紹介していただいた税理士に決めました。税理士以外の資格も持った先生で、企業の成長に合わせた料金設定やサポート内容だったので契約を決めました。

男性経営者(法人不動産業)

会社設立後間もなかったので売上等不安がありました。税理士ドットコムに複数の税理士を紹介してもらいました。おかげ様で誠実で信頼できる税理士と契約することができました。最高の税理士を紹介していただきました。

 

 

税理士紹介エージェント

税理士紹介エージェント

「税理士紹介エージェント」も税理士ドットコムと同様におすすめの税理士紹介会社です。

税理士紹介エージェントの良さは、経営者の方たちが希望する税理士と契約できるように徹底的にサポートしてくれることです。

専任のエージェントが税理士に対する細かい要望を聞いてくれて、面談日程の約束から面談後の交渉、契約後のフォロー等とことんサポートしてくれます。

また、他社にはあまりみられない特徴もあります。

それは、税理士を登録する際に専任のエージェントがその税理士と面談し厳しい審査を行っていることです。この登録時の審査が税理士の紹介を受ける経営者の方たちの信頼や高い満足度に繋がっています。

税理士紹介エージェントの強み

税理士紹介会社比較(税理士紹介エージェント)

従って、専任のエージェントが紹介してくれる税理士は、面談によって顔や人柄を知っている税理士ということになります。

常に経営者の方たちの見方になってサービスできる税理士を紹介するという理念を持った税理士紹介会社です。

税理士紹介エージェントは、契約後の満足度がかなり高い税理士紹介会社です。

税理士紹介エージェントの特徴まとめ

税理士紹介エージェントの特徴
  1. 専任の税理士紹介エージェントがお問い合わせ時の相談から契約締結、その後のフォローまで徹底的にサポートしてくれる。
  2. 登録している税理士は、税理士紹介エージェント独自の厳しい審査を受けている。
  3. 紹介してくれる税理士は全て専任のエージェントが面談しているため、顔や人柄を知っている。経営者の方の細かな希望に合う税理士を紹介してくれる。
  4. 新規に税理士を探す場合だけでなく税理士変更もしっかりとサポートしてくれるため、税理士と納得の条件で契約できる。
  5. 希望の条件に合う税理士を無料で何度でも紹介してくれる。
  6. 急ぎの場合でも全国どこでも迅速に対応してくれる。

税理士紹介エージェントの口コミ

男性経営者(法人アパレル業)

知人に紹介された税理士と契約していましたが、決算以外何もしてくれない税理士でした。決算後の説明もありませんでした。新店舗出店を計画していたため相談できる税理士を探していました。税理士紹介エージェント紹介してもらった税理士と契約して無事2号店を出店できました。経営状況に応じた相談ができる税理士で安心できます。

男性経営者(法人広告業)

契約していた税理士事務所はレスポンスが悪く、改善してもらえず業務に影響が出るようになったので変更することにしました。税理士紹介エージェントの担当者は、こちらの不満を聞いてくれて親身になって相談にのってくれました。3人の税理士を紹介してくれましたが、どの税理士も良さがあり決めるのに悩みました。しっかりとアドバイスしてくれる希望に合う税理士と契約できました。

男性経営者(個人事業主コンビニ経営)

個人でコンビニを開業しましたが、経理や税金のことなど分からないことばかりで心配でした。知り合い等いなかったので税理士紹介エージェントに依頼しました。最初から担当者の方が丁寧に対応して下さって、自分に合う人柄の良い税理士を紹介してもらえました。場所についても希望をしっかり聞いてくれました。

 

(税理士紹介エージェントに移動します)

 

まとめ

FP教える

長い記事を最後までお読みいただきありがとうございました。

やはり、経営者の方たちの良き相談相手、経営のパートナーになり得るのは税理士だと考えます。

税理士・会計事務所が記帳代行や決算、確定申告のみ行っているだけでお客様に喜ばれる時代はとっくに終わりました。

税理士や職員が経営者の方たちのパートナーとして認めてもらうためには日々勉強しなければいけません。

経営者の方たちが必要とするサポートは全て異なります。それでも税理士・会計事務所の存在価値は、どの経営者の方にも納得してもらえるようなサービスを提供することです。

経営者の方たちが、事業の発展のために良き相談相手、経営のパートナーになってくれる税理士・会計事務所を見つけることができると本当に良いと感じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です